水美舞斗、瀬央ゆりあが外部出演する舞台「HiGH&LOW THE 戦国」の幕が開きました。
早速観劇しましたが、芝居と殺陣だけでなく、歌も踊りも何でもありの総合エンターテインメントという感じで、普段見慣れているミュージカルとは色々異なるところはあるものの、とても楽しめました。
意外?だったのは、ストーリー展開や設定がなかなか難しい!ということで、登場人物それぞれの行動や流れをしっかり理解するのは結構大変でした。時代物なので、固有名詞も覚えにくいものが多く、観ながら「これの意味何だっけ…」となったりも。
その中でも特に難しかった龍と5つの煩悩の呪いの部分について、自分なりにまとめてみました。
まだ完全には理解していないので、違う部分もあるかもしれませんが、今後の観劇でクリアになってきたらまた更新したいと思います。
3つの国の話が同時並行で進むストーリー
「HiGH&LOW THE 戦国」では、須和(すわ)、乃伎(のぎ)、尊武(そんぶ)の3つの国が登場し、それぞれのストーリーが同時並行で展開します。
最初にとりあえず
須和(すわ)=瀬央ゆりあ属する黄色(灰色)の国
(イメージカラーは砂漠イメージの黄~黄土色ですが、登場人物の衣装はグレーなので、観劇の時は灰色=須和と覚えておいた方が良いかもです)
乃伎(のぎ)=水美舞斗率いる青の国
尊武(そんぶ)=筋肉お兄さんたちの赤い国
と覚えておいてください。
この3つの国名が頭に入っていないと、劇中の台詞で唐突に出てきた時にどれだ?となります(体験談)ので、ここでも覚えやすいように色をつけていきます。
5つの国に封印された龍と呪い
この設定が難しいのですが、昔話として龍と呪いの話が出てきます。
須和、乃伎、尊武に袁空(えんくう)、佐峨(さが)を加えた5つの国に、龍の力と5つの呪いがそれぞれ封印されている。
5つの呪いとは五蓋(ごがい)と呼ばれる煩悩のこと。
舞台上で説明台詞として登場するので、観劇中「覚えられない!」となったのですが、調べてみたら創作ではなく仏教の概念なんですね。
五蓋とは、仏教で瞑想を妨げるとされる5種類の煩悩を指したもので、日本では「鬼」という概念で昔から身近にあり、節分の豆まきにもこの考えが使われているそうです。
5つの煩悩は「赤」「青」「黄」「緑」「黒」の色と結びついていて
赤:欲愛(よくあい)、貪欲(とんよく)とめどない欲望
青:瞋恚(しんに) 怒りや憎しみ
黄:悪作(おさ)心の動揺、過去への後悔
緑:睡眠(すいむ)倦怠、眠気
黒:疑(ぎ)人を疑う心
と言われています。
節分の時には、自分が振り払いたい煩悩の色の鬼に豆をまくと良いそうです。
赤鬼、青鬼、黄鬼というのは、そういう違いがあったのか!と改めて勉強になりました。
5つの煩悩は各国のカラーと一致
少し話が逸れましたが、「HiGH&LOW THE 戦国」観劇後であれば、赤と黄の煩悩にはすぐピンと来ると思います。
(以降徐々にストーリーのネタバレになります)
後で詳しく取り上げますが、ストーリーの中で
黄の煩悩・悪作(おさ)は須和国のリーダー黄斬(きざん・片寄涼太)に憑りつき、
赤の煩悩・欲愛は尊武国のリーダー玄武(げんぶ・RIKU)に憑りつきます。
劇中では「どの国にどの煩悩が封印されているかはわからない」となっていましたが、実は五蓋の煩悩の色と国のカラーが一致しているんですね!
劇中で悪役糜爛(ヴィラン・阿部亮平)が手下の弧呂巣(コロス・久保田創)に五蓋の説明をする際にも、それぞれの煩悩がライトで色分けされています。
ということは、乃伎国のリーダー・湧水(ゆうすい・水美舞斗)に憑りつく煩悩は青の瞋恚(しんに)、怒りや憎しみだと想像できます。
これはクライマックスの展開の解釈に関わってきて結構複雑かな?と思うので一旦置いておきます。
龍の力と煩悩の封印を解く方法
龍の力と煩悩は、5つの国それぞれの社に封印されています。
この封印の解き方は悪役糜爛(ヴィラン・阿部亮平)と乃伎国の弦流(げんりゅう・藤原樹)の会話で出てくるのですが
1「その国で生まれた者」が「強い思い」を持って玉(のようなもの)を斬ると封印が解かれ
2「社に奉納されている刀を手にした者」に封印されていた煩悩の呪い(と力?)が憑りつく
3呪いから抜け出すには、心の弱さを克服し煩悩に打ち勝たなければいけない
ということだと思います。
封印が解かれるのは
-刀が納められている社が崩壊すること
-刀が鞘から抜かれている状態
という条件もありました
今回ややこしいのは「封印を解く人物」と「呪いが憑りつく人物」が違うということなんですよね。
吏希丸(瀬央ゆりあ)が解いた煩悩・悪作は黄斬(片寄涼太)に憑りつく
ストーリーの中で最初に解かれる封印は、須和国のものです。
ヴィラン(阿部亮平)一味が須和国の社(やしろ)を襲った時
須和の国王の血を継ぐ吏希丸(りきまる・瀬央ゆりあ)が「友である黄斬への強い思い」を持って玉を斬り、
黄斬(片寄涼太)がヴィランとの戦いの中で、社の刀を手にしたため、
須和国に封印されていた黄の煩悩・悪作(おさ)が黄斬に憑りつき、黄斬は過去への後悔や自責の念から現実逃避をしたりと、国のリーダーとして戦えるような状態ではなくなってしまいます。
なぜ吏希丸(瀬央ゆりあ)が封印を解いたのか、その理由ははっきり描かれていないのですが、吏希丸は封印を解くと刀に龍の力が宿るとだけ聞いたことがあって、煩悩の呪いについては知らなかったのかなと思います。
黄斬にかけられた煩悩の呪いについて、仲間の颯斗(小野塚勇人)の説明を聞いている吏希丸の表情が、どんどん険しく思い詰めたようになっていくのがわかります。
国のリーダーたる黄斬(片寄涼太)に大きな力を与えたくて封印を解いたものの、そのせいで黄斬が呪いにかかってしまった、そこへの自責の念と、黄斬が悪作の煩悩に打ち勝つために自分が何とかしなければ、という思いが、そこからの吏希丸の行動に繋がっていくのかなと。
追記:吏希丸の行動は更に奥が深かったので改めて↓でまとめています。
弦流(藤原樹)が解いた煩悩・欲望は玄武(RIKU)に憑りつく
2つ目に解かれる封印は、尊武国の赤の煩悩:欲望です。
封印を解いたのは、乃伎国の弦流(藤原樹)で、
煩悩が憑りついたのは、尊武国の玄武(RIKU)です。
ここでいきなり話がややこしくなります(笑)
須和国の場合、封印を解いたのも煩悩が憑りついたのも、同じ国の人間かつ同じ場所での出来事なのでわかりやすいのですが、2つ目の場合、乃伎国の弦流と尊武国の玄武には何の接点もなく、同じ場所にもいません。
「元々尊武国の生まれで乃伎国に拾われた弦流」が、「主君である湧水(水美舞斗)への強い愛」を想いながら玉を斬った結果、
尊武国の社の封印が解かれ
須和国との戦いのために尊武国の社の刀を持ち出していた玄武(RIKU)に欲愛の煩悩が憑りついた、ということになります。
弦流(藤原樹)は湧水への愛が成就するような世界を手に入れるために龍の力が欲しい、と封印を解いたわけですが、そもそも封印を解く人と力(呪い)が憑りつく人は違うので、尊武国の刀も同時に手に入れない限り、弦流に力が宿るはずはないんですよね。
この辺りがはっきり理解できなかったのですが
弦流はヴィランから「龍の力を手に入れられる」と吹き込まれて尊武国の封印を解いたものの、単に3国の戦いを激化させたいヴィランに騙されていただけ、ということで良いのか、、、?
一旦そのように解釈しておきたいと思います。
青の煩悩・憎しみは湧水(水美舞斗)に憑りついたのか?
3つ目の煩悩は劇中で何と明示はされていないのですが、おそらく色の法則から青の瞋恚(しんに)、怒りや憎しみだと考えられます。
これは乃伎国の社に封印されていると考えられ、その呪いが憑りつくのは刀を持っている当主の湧水(水美舞斗)のはずです。
(ここから結末ネタバレになります)
物語のクライマックス。全ての戦いがヴィランの仕業とわかり、3国が力を合わせて戦うことになります。
ヴィランは元々乃伎国の出身なので、彼が社の玉を斬れば封印が解かれ、刀を持っている湧水(水美舞斗)に呪いが憑りついてしまうことになります。その為、湧水は刀を鞘に納め、封印が解かれないようにしながら戦います。
ただ、最終的に危機に立たされた湧水は刀を抜き、ヴィランを倒します。
この時に龍が飛んで、封印も解かれたように見えるのですが、湧水がすぐに刀を鞘に納めたことで龍は消えます。
この辺りも展開が早くてなかなか理解が追い付かないのですが、龍や呪いの力について「正しく使えば善の力になる」というようなセリフがあるので、
湧水(水美舞斗)が刀を抜いたことで一旦封印は解かれ、湧水に瞋恚(しんに)の煩悩が憑りついたが、それを「悪を憎み怒りヴィランを倒す」という正しいことのためだけに使ったので、呪いに打ち勝った?コントロールできた?ということなのかなと想像します。
黄斬(片寄涼太)に憑りついた黄の煩悩・悪差と玄武(RIKU)に憑りついた赤の煩悩・欲望は、憑りついてから打ち勝つまでに時間がかかりましたが、
湧水(水美舞斗)の場合、憑りつかれるのと打ち勝つのがほぼ同時?(ヴィランを倒す一瞬)というような感じかなと勝手にイメージしています。
追記:最後の弦流の台詞で「既に2つの封印は解かれた」と言っていたので、乃伎国の封印はまだ解かれていないということのようです。
今回の結末時点では、須和国、尊武国の龍の力は既に解き放たれていて(ただし副作用の煩悩の呪いの方は、黄斬・玄武共に断ち切り済)、乃伎国の龍の力はまだ湧水の刀の中に封印されている?ということなのかなと思います。
龍の力は五国分が全て揃わないと発動しない?
これが最後までわからなかったポイントなのですが、
劇中で須和国、尊武国の龍の力は既に解き放たれた、とされていますが
その龍の力とは何なのか?は特に描写されていないと思うんですよね。
吏希丸(瀬央ゆりあ)は黄斬(片寄涼太)に龍の力を宿らせたくて、弦流(藤原樹)は自分が龍の力を手に入れたくて封印を解いたわけですが、
結果は黄斬と玄武(RIKU)に煩悩が憑りついただけで、彼らに龍の力が宿った様子は無さそうだなと。
(黄斬と玄武の最後の変化や三国が和睦したことを「龍の力」と表現できなくもないですが、ちょっと違和感があるな・・・と)
なので「龍の力は5つの国の封印全てが解かれないと発動しない」と解釈しておこうかなと思います。
今回の「HiGH&LOW THE 戦国」結末時点では
須和国、尊武国の龍の力は解放済み
乃伎国の龍の力は仮眠中(劇中色々刺激を与えられてはいるので)
袁空国、佐峨国の龍の力は封印中
ということになるかと思います。
須和国、尊武国の龍の力はその辺りに漂っていて、残り3つの龍の力が解放されたら、一気に結合する、というようなイメージでしょうか。
以上、私自身の数回の観劇の記憶に基づく勝手な解釈なので、違っている部分もあると思います。
過去のハイロー作品に詳しいわけでもないので、もしかするとその世界での「お約束」や「定石」からすると、見当違いなことを言っているかもしれません。
もう少し観劇を重ねたら新たに見えてくるものもありそうなので、また気が向いたら追記したいと思います。