雪組「BONNIE & CLYDE」予習用キャストと楽曲リスト、「凍てついた明日」との違い

宝塚雪組

雪組で2023年2月に上演される「BONNIE & CLYDE」は、1930年代アメリカに実在のギャングカップル、ボニーとクライドを主人公にしたミュージカルです。

 

ボニー&クライドを描いた作品といえば、映画「俺たちに明日はない」、宝塚歌劇では荻田浩一作「凍てついた明日」があります。

「凍てついた明日」は1998年に雪組でトップ娘役の月影瞳と2番手男役の香寿たつき主演で初演されました。

2008年には同じく雪組で凰稀かなめ主演(ヒロインは大月さゆ/愛原実花のWキャスト)のバウ・ワークショップ「凍てついた明日-ボニー&クライドとの邂逅(かいこう)-」として、改変を加えた上で再演されています。

 

2023年に彩風咲奈、夢白あやのトップコンビで上演される「BONNIE & CLYDE」は、フランク・ワイルドホーン作曲のブロードウェイミュージカル版となります。

こちらは2009年にアメリカで初演され、2012年には濱田めぐみ、田代万里生主演で日本でも上演されています。2022年からロンドン・ウエストエンドでも上演されているようです。

 

私自身「凍てついた明日」の初演は映像で何度も見ていた思い入れのある作品なのですが、ブロードウェイミュージカル版「BONNIE & CLYDE」はまだ見たことがありません。

今回2012年日本初演時の公演プログラムを入手したので、その情報を元に雪組「BONNIE & CLYDE」予習用に登場人物や楽曲などをまとめてみたいと思います。

アメリカ・ブロードウェイでの上演時のデータも一部参考にしています。

Bonnie & Clyde (Broadway, Gerald Schoenfeld Theatre, 2011)
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「BONNIE & CLYDE」登場人物・キャスト一覧

クライド・バロウ:彩風咲奈

2012年日本初演 田代万里生

2023年雪組 彩風咲奈 (少年クライド:夢翔みわ)

1909年に8人兄弟の6番目としてテキサスの貧しい家に生まれる。16歳で学校を中退し、窃盗などを繰り返す。

20歳でボニーと出会い、犯罪集団「バロウ・ギャング」のリーダーとして世間を騒がせるようになる。

ボニー・パーカー:夢白あや

2012年日本初演 濱田めぐみ

2023年雪組 夢白あや (少女ボニー:愛陽みち)

1910年テキサス生まれ。元々は比較的裕福な家庭に生まれたが、ボニーが4歳の時に父親が亡くなり、困窮するようになる。

ボニーは16歳でクラスメイトのロイと結婚し学校を中退するが、ロイがまもなく失踪。(→これは史実ですが、宝塚版では婚約者:ロイという配役になっているので改変があるかもしれません)

カフェでウェイトレスとして働きながら、ハリウッドスターになることを夢見ている。

バック・バロウ:和希そら

2012年日本初演 岡田浩暉

2023年雪組 和希そら

クライド(彩風咲奈)の6つ上の兄。

クライドと共に犯罪を繰り返すが、優しい性格で弟や妻ブランチ(野々花ひまり)のことを気にかけている。

ブランチ・バロウ:野々花ひまり

2012年日本初演 白羽ゆり

2023年雪組 野々花ひまり

バック(和希そら)の妻。美容院で働いている。

信心深く、脱獄したバックに対し、刑務所へ戻って罪を償うよう説得する。

自由で刺激的な毎日を求めるボニーに対し、ブランチは家庭的で平穏な生活を求める女性として対照的に描かれている。

テッド・ヒントン:咲城けい

2012年日本初演 藤岡正明/中河内雅貴(Wキャスト)

2023年雪組 咲城けい

ボニー(夢白あや)の幼馴染で、彼女に片想いを続けている。誠実で真面目な人柄。

保安官補佐として、クライドとボニーを追う立場になっていく。

エマ・パーカー:杏野このみ

2012年日本初演 池田有希子

2023年雪組 杏野このみ

ボニー(夢白あや)の母。夫が亡くなった後、女手一つでボニーを育ててきた。

娘の将来を思い、ボニーが真面目で誠実なテッド(咲城けい)と付き合うことを望む。

キャミー・バロウ:沙羅アンナ

2012年日本初演 明星真由美

2023年雪組 沙羅アンナ

クライド(彩風咲奈)の母。気弱でクライドが刑務所に送られると泣き崩れる。

ヘンリー・バロウ:天月翼

2012年日本初演 中山昇

2023年雪組 天月翼

クライド(彩風咲奈)の父

牧師:久城あす

2012年日本初演 つのだ☆ひろ

2023年雪組 久城あす

神の意志を伝える抽象的な存在。当時の宗教観や時代背景を示す。

クライドとボニーを追う側の登場人物

凶悪犯となったクライドとボニーたちを警察は追い詰めていきますが、追う側も一枚岩ではありません。

シュミッド保安官率いる現場組と、ファーガソン州知事率いる上層部側では立場や考え方が異なります。

シュミッド保安官側がテッド(咲城けい)、バド(眞ノ宮るい)、ジョンソン(希翠那音)で、ファーガソン州知事に送り込まれた側がハマー(桜路薫)とボブ・アルコーン(真友月れあ)と思われます。

保安官スムート・シュミッド:透真かずき

2012年日本初演 木場勝巳

2023年雪組 透真かずき

クライドとボニーを追う保安官。現場のトップで、官僚的な上層部には反発している。

バド・ラッセル巡査:眞ノ宮るい

2012年日本初演 戸井勝海(ボブ・アルコーンと二役)

2023年雪組 眞ノ宮るい

クライドとボニーを追う巡査(2012年日本初演では保安官代理)。

シュミッド保安官(透真かずき)の部下。最初にクライドとボニーを追い詰める。

2012年日本初演版では、ほとんど喋らない寡黙な男。

ジョンソン保安官補佐:希翠那音

2012年日本初演 ヨウスケ・クロフォード

2023年雪組 希翠那音

シュミッド保安官(透真かずき)の部下。

特別捜査官フランク・ハマー:桜路薫

2012年日本初演 岸裕二

2023年雪組 桜路薫

クライドとボニーを捕えるためにファーガソン州知事(愛羽あやね)から送り込まれた敏腕捜査官。

副捜査官ボブ・アルコーン:真友月れあ

2012年日本初演 戸井勝海(バドと二役)

2023年雪組 真友月れあ

クライドとボニーを捕えるために送り込まれたスナイパー。

ミリアム・ファガーソン知事:愛羽あやね

2012年日本初演 徳垣友子

2023年雪組 愛羽あやね

テキサス州知事。クライドとボニーを捕えるよう指示する。

その他の配役

トリッシュ:有栖妃華 ステラ:希良々うみ エレノア :愛空みなみ

トリッシュ:
2012年日本初演 明星真由美(クライドの母と二役)
2023年雪組 有栖妃華

2012年日本初演の公演プログラムの中で、トリッシュはブランチ(野々花ひまり)の働く美容院の客で、犯罪者の妻でありながらとても能天気な人物、と言及されています。

ステラ:希良々うみ
エレノア :愛空みなみ

この2人も日本初演プログラムに役名があるのですが、役柄は明記されていません。

ブロードウェイ上演時のパンフレット(PLAYBILL)を見ると、登場もトリッシュと同じタイミングのようなので、おそらくこの2人もブランチの美容院の同僚か客かなと想像しています。

婚約者ロイ:麻斗海伶

2012年日本初演版には役名がありませんが、史実ではロイはボニー(夢白あや)の結婚相手です。二人は学校のクラスメイトで、16歳の時に結婚したものの、ロイはまもなく失踪し、ボニーの元に再び姿を現した後も刑務所に入ったりという人物です。

2023年雪組版では「婚約者」と明記されているので、ボニーが結婚していたという史実を少し変えるのか、または結婚前の少女時代のボニーの回想として描かれる可能性もあるのかなと思います。

ビリー・ザ・キッド:星加梨杏

2012年日本初演版のプログラムには記載がありませんが、ビリー・ザ・キッドといえば、19世紀末にアメリカを騒がせた西部開拓時代の強盗です。

犯罪者ながら後に義賊として西部劇でヒーロー的に創作されているので、ボニーとクライドをビリー・ザ・キッドになぞらえるような演出で登場するのかなと想像します。

クララ・ボウ:菜乃葉みと

この役も2012年日本初演版のプログラムには記載がありませんが、1920年代にハリウッドで活躍した女優のことだと思われます。

お色気コメディ路線で人気を集めた女優で、ボニー(夢白あや)が憧れていたという話もあるようなので、女優を夢見るボニーの理想像として登場するのかなと思います。

ハリー:華世京

ハリーは2012年日本初演や「凍てついた明日」の配役には名前の無い役名です。

映画「俺たちに明日はない」や「凍てついた明日」では、クライドやボニーと行動を共にするバロウ・ギャングのメンバーがもっと描かれているので、もしかしたらクライド達の仲間かな、と思っています。

1/3追記
実在のボニー&クライドの史実を見返していたら、「凍てついた明日」に登場するジェレミー・メスヴィンは、実際はHenry Methvinなんですね。

ヘンリーの愛称がハリーだったりするので、やはり今回のハリー(華世京)はバロウ・ギャングの仲間で、(ネタバレになるので詳しくは書きませんが)「俺たちに明日はない」でいうところのC.W.モス=「凍てついた明日」のジェレミー+ジョーンズにあたる役どころかな、という気がしています。

(なんて言っていたら、全然違ってボニー&クライド一味の被害者側の人物かもしれませんが!)

「BONNIE & CLYDE」楽曲リスト

ブロードウェイ版と2012年日本上演版ではいくつか曲が異なるようです。以下の楽曲リストは日本上演版の公演プログラムを参照しています。

第1幕

M1 映画スター Picture Show クライド、ボニー

M2 先の見えない世界 Short Order World ボニー

M3 世界は俺を忘れない This World Will Remember Me クライド、ボニー

M4 刑務所に戻りなさい You’re Goin’ Back to Jail バック、ブランチ、美容院の女性たち

M5 ダンスしましょう How ‘Bout a Dance? ボニー

M6 こんな時に… This Never Happened Before クライド、ボニー

M7 車を飛ばせば When I Drive クライド、バック

M8 神の両腕はひらかれている God’s Arms Are Always Open ブランチ、牧師、信者

M9 やつより上手くやれる You Can Do Better Than Him テッド、クライド

M10 人は愛する人を愛す You Love Who You Love ボニー、ブランチ

M11 準備は出来た I’m Ready クライド

M12 世界は二人を忘れない This World Will Remember Us クライド、ボニー

第2幕

M13 メイド・イン・アメリカ Made in America キャミー、エマ、牧師、信者

M14 もう戻れない Too Late to Turn Back Now クライド、ボニー

M15 それが私の夢 That’s What You Call a Dream ブランチ

M16 未来へと続く道 What Was Good Enough For You クライド、ボニー

M17 ボニー Bonnie クライド

M18 いつのまにか Devil エマ

M19 弾をこめて Raise a Little Hell クライド、バック、テッド

M20 死ぬのもそれほど悪くない Dyin’ Ain’t So Bad ボニー

M21 ダンスしましょう(リプライズ) How ‘Bout a Dance? (reprise) クライド、ボニー、バック、ブランチ

M22 神の両腕はひらかれている(リプライズ) God’s Arms Are Always Open (reprise) ブランチ、牧師、信者

M23 やつより上手くやれる(リプライズ) You Can Do Better Than Him (reprise) テッド

M24 世界は二人を忘れない(リプライズ) This World Will Remember Us (reprise) クライド、ボニー

2012年日本版「BONNIE & CLYDE」ダイジェスト(濱田めぐみ&田代万里生)

2012年に上演された際の、濱田めぐみ、田代万里生それぞれのダイジェストがYouTubeに残っています。

宝塚作品「凍てついた明日」とBWミュージカル「BONNIE & CLYDE」の違い

両作品ともに、クライドとボニーが主人公で、2人が出会い犯罪を繰り返していく、という大枠は同じですが、その他の登場人物やストーリーの比重は大きく異なります。

 

BWミュージカル「BONNIE & CLYDE」では、クライドとボニーを運命的に引き寄せられた恋人同士として描かれています。

そして常に刺激を求める破天荒なクライドとボニーの対照として、平穏なクライドの兄夫婦、バックとブランチが存在します。

 

一方で「凍てついた明日」では、クライドとボニーの心の中にはそれぞれ別の異性がいます。クライドには元恋人のアニス、ボニーには元夫のロイです。

最後の方で「誰でもよかった、でも君だったんだ」という印象的な台詞があるように、「凍てついた明日」でのクライドとボニーは、愛し合っている恋人同士、という描写はあまりなく、お互い似た心の隙間を持つ同志のように描かれていた印象です。

 

また、「凍てついた明日」では、クライドとボニーと行動を共にする「バロウ・ギャング」のメンバーが主要キャストとして大きく描かれます。クライドの弟分のジェレミー、レイモンドとメアリーのカップル、少年ジョーンズです。

クライドの兄バックとブランチも一応登場しますが、限定的な描かれ方で、あまり大きな比重ではありませんでした。

 

「凍てついた明日」と言えば名曲「ブルース・レクイエム」がありますが、もちろんこれは宝塚オリジナルなので、2023年上演の「BONNIE & CLYDE」には登場しません。

雪組公演「BONNIE & CLYDE」公演情報・期別出演者

Musical
『BONNIE & CLYDE』

脚本 アイヴァン・メンチェル
作詞 ドン・ブラック
作曲 フランク・ワイルドホーン
潤色・演出 大野 拓史

公演期間:
2023年2月6日(月) ~3月1日(水)@御園座(愛知県)

出演者:

雪組
透真かずき(91期)
彩風咲奈(93期)
久城あす、杏野このみ(94期)
桜路薫、天月翼(95期)
和希そら(96期)
沙羅アンナ(97期)
野々花ひまり(99期)
希良々うみ、眞ノ宮るい、星加梨杏(100期)
琴羽りり、麻斗海伶(101期)
有栖妃華、咲城けい、真友月れあ(102期)
聖海由侑、夢白あや、愛羽あやね、紗蘭令愛(103期)
愛陽みち、蒼波黎也、絢斗しおん、菜乃葉みと(104期)
琴峰紗あら、愛空みなみ、海咲圭、希翠那音(105期)
華世京、夢翔みわ、天音ことは、夢陽まり、彩名美希(106期)
絢月晴斗、妃奈環、瞳月りく、小乃美ゆき(107期)
紗香にいな、琴華ひまわり(108期)

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