星組「夜明けの光芒」あらすじや配役を原作「大いなる遺産」から予習

宝塚星組

星組・暁千星主演で『夜明けの光芒』が上演されます。これはチャールズ・ディケンズの小説「大いなる遺産」が原作となります。

原作を読んでみましたが、主人公ピップの思索と成長物語の中に様々な登場人物が絡み合い、実はこれとこれが繋がっていたのか!というような種明かしの面白さもあって良くできた物語だなと。

星組公演「夜明けの光芒」がこの小説のどの部分にフォーカスするのかまだわかりませんが、あらすじや登場人物などを結末のネタバレにならない範囲でまとめてみます。

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『夜明けの光芒』の原作「大いなる遺産」のあらすじと特徴

「大いなる遺産」は主人公ピップの回想という形で、7歳のピップが逃走中の囚人に出会うところから、ロンドンで暮らす20代前半までが主に描かれていて、最後に30代のピップのエピローグがついています。

 

舞台は19世紀初頭のイギリス。じめじめとした沼地の田舎で義兄夫婦と暮らす貧しい少年ピップは、ある晩人気のない沼地で脱獄してきた囚人と鉢合わせ、彼に脅されて家から食料などを盗み出して与えます。結局その脱走囚はピップ達の目の前で捉えられ、再び収監されます。

それからしばらくして、ピップは町一番の資産家ミス・ハヴィシャムの屋敷に呼ばれます。廃墟のような大邸宅には美しい娘・エステラがいて、ピップはエステラに惹かれると同時に自分の貧しさや教養の無さを恨むようになります。

ピップが義兄ジョーの徒弟となって鍛冶屋修行をはじめたことで、ハヴィシャム邸に通うこともなくなり数年が過ぎたある日、ロンドンからジャガーズと名乗る弁護士がやってきて、ピップがある人物から莫大な財産を相続することになったと告げます。相続の条件は、ピップが紳士にふさわしい生活を送ること。

早速ピップはロンドンに出て、紳士修行を開始します。生涯の友となるハーバートと楽しく暮らす中で、ついにピップに財産をもたらす「ある人物」が明らかになり…。

 

ピップに財産をもたらす人物の全貌と共に、ミス・ハヴィシャムの昔の婚約破棄やエステラの生い立ちまでも明らかになっていく終盤の展開がかなり面白かったので、『夜明けの光芒』でどのように描かれるのか楽しみです。

この物語は全てピップの回想で話が進むので、ピップが見聞きしたことしか描かれません。

ヒロインはエステラになると思うのですが、ほとんどピップが一方的にエステラに恋い焦がれているだけなので、エステラ自身の心情はほとんどわかりません。舞台化された際にエステラの人物像がどのように立体的になるのかも興味深いところです。

ディケンズは情景描写に長けた作家で、文章を読んでいるだけで各場面の雰囲気がありありと伝わってくるのですが、小説内で描写されているのはどれも灰色掛かったような「美しくはない」情景ばかりです。ピップの育った家は貧相で、ミス・ハヴィシャムの大邸宅も狂気じみた異様な光景、紳士修行の地ロンドンも猥雑で汚い面が強調されて描かれています。

ただ、ロンドンでのハーバートとの場面などはかなり明るく描くこともできると思うので、『夜明けの光芒』がどのような雰囲気の作品になるのか、楽しみにしたいと思います。

『夜明けの光芒』の登場人物・月組公演「大いなる遺産」の配役

原作「大いなる遺産」を元に、『夜明けの光芒』の登場人物とその役どころをまとめてみます。

「大いなる遺産」は1990年に月組剣幸・こだま愛主演で上演されているので、その際のキャストも併せて記載しています。ただ、月組の映像もざっと見てみたのですが、登場人物のキャラクターなどで小説と異なる印象になっている部分も多くありました。

フィリップ・ピリップ(ピップ)

イギリスの田舎で義兄夫婦と暮らす貧しい少年。

義兄ジョーの徒弟として鍛冶屋修行をしていたが、ある人物から莫大な財産を相続することとなり、ロンドンへ出て紳士修行に励む。

1990年月組 剣幸 新人公演:天海祐希

2024年星組 暁千星

ピップの故郷の人々

エステラ

ミス・ハヴィシャムの養女。美しいが高慢で感情に乏しく、貧しいピップを見下した態度を取る。

1990年月組 こだま愛 新人公演:麻乃佳世

ミス・ハヴィシャム

町一番の資産家で、大邸宅に引きこもって暮らす老婆。昔婚約破棄をされたことで心身を病み、廃人のような生活をしている。溺愛する養女エステラの遊び相手として、ピップを屋敷に通わせる。

1990年月組 邦なつき 新人公演:夏河ゆら

ジョー(ジョゼフ)・ガージェリー

ピップの義兄で鍛冶屋。妻のジョージアナの尻に敷かれているが、心優しく善良な男。ピップを可愛がり親友のように暮らす。

1990年月組 葵美哉

ジョージアナ・ガージェリー

20歳以上年の離れたピップの姉で、ジョーの妻。生まれた直後に両親を亡くしたピップを育てた。癇癪持ちでピップとジョーに厳しく接する。

1990年月組 夏妃真美(役名はケティ。病弱な優しい姉となっていて、原作とは異なる人物像)

ビディ

ピップより少し年上の村の娘。孤児だが聡明で、ピップの良き相談相手。後にジョー達の家に住み込みで働くようになる。

1990年月組 朝凪鈴 新人公演:羽根知里

オーリック

ジョーの鍛冶屋の弟子。ビディに気があり、ピップを敵視している。

1990年月組 波音みちる

パンブルチューク

ピップのおじ(正確には義兄ジョーのおじ)で、ピップをミス・ハヴィシャムのところへ連れて行く。見栄っ張りの俗物。

ウォプスル氏

ピップの家に出入りする町の教会書記。人前で演説するのが好きで、後に演劇の道へ進む。

ロンドンでピップと関わる人々

ハーバート・ポケット

ミス・ハヴィシャムの親戚筋にあたり、裕福ではないが気持ちの良い青年。少年時代にハヴィシャム邸で1度ピップに会い、殴り合いの勝負をしたことがある。ロンドンに出てきたピップを世話し、生涯の良き友となる。

1990年月組 涼風真世 新人公演:真織由季

ジャガーズ

ロンドンで名を知られた敏腕弁護士。ピップのロンドンでの後見人であり、ミス・ハヴィシャムの顧問弁護士。無駄なことは一切しない理論的で厳格な人物。

1990年月組 未沙のえる 新人公演:真山葉瑠

ウェミック

ジャガーズの弁護士事務所の事務員。ジャガーズの前では生真面目な部下だが、ピップを自宅に招くなど親しくなり、良き協力者となる。

1990年月組 いつき吟夏

マシュー・ポケット

ハーバートの父親で、ロンドンでのピップの紳士修行の手ほどき役。学者肌で、ミス・ハヴィシャムの親戚の中で唯一、彼女の財産にたかろうとしない高潔な人物。

1990年月組 立ともみ

ベントリー・ドラムル

ポケット家の居候のひとり。無口で粗野。エステラを巡ってピップの恋敵となる。

1990年月組 久世星佳 新人公演:大海ひろ

スタートップ

ポケット家の居候のひとり。細身で気弱。

1990年月組 天海祐希

クララ

ハーバートの恋人。心優しい娘で、寝たきりの父親と2人で暮らしている。

1990年月組 紫とも

モリー

ジャガーズ家の家政婦

1990年月組 京三紗

エイベル・マグウィッチ(プロヴィス)

ピップが少年の頃に出会った脱走囚。

1990年月組 汝鳥伶 新人公演:越はるき

星組公演『夜明けの光芒』公演情報・出演者

ミュージカル・ロマン
『夜明けの光芒』
チャールズ・ディケンズ作「大いなる遺産」より
脚本・演出/鈴木 圭

公演期間:
2024年6月3日(月) ~6月8日(土)@梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ[大阪府]
2024年6月14日(金) ~6月20日(木)@東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)[東京都]

出演者:
美稀千種(79期)
輝咲玲央(92期)
紫りら(95期)
朝水りょう(96期)
暁千星、澪乃桜季、夕渚りょう(98期)
七星美妃(99期)
颯香凜(101期)
天飛華音(102期)
瑠璃花夏、紘希柚葉(103期)
綾音美蘭、碧音斗和、世晴あさ、透綺らいあ(104期)
稀惺かずと、瞳きらり、彩紋ねお、青風希央(105期)
乙華菜乃、愛花いと、朝稀さいら(106期)
詩花すず、藍羽ひより、桃李拍(107期)
馳琉輝、風希咲玖(108期)
美鈴桜、湖ノ花なり(109期)