星組で再演・宝塚版「モンテ・クリスト伯」の登場人物と宙組初演キャスト

宝塚宙組

星組全国ツアー公演で「モンテ・クリスト伯」の上演が発表されました。2013年宙組で凰稀かなめ・実咲凛音トップコンビで初演された作品を、礼真琴・舞空瞳トップコンビが再演することになります。

宙組の「モンテ・クリスト伯」を初演当時何度も観ましたが、悪人・悪女をはじめ個性的な登場人物が多く見ごたえのある作品なので、礼真琴率いる星組での再演も楽しみです!

早速宝塚版「モンテ・クリスト伯」のあらすじと登場人物、宙組初演キャストなどをまとめてみました。

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宝塚版「モンテ・クリスト伯」のあらすじ

『モンテ・クリスト伯』は19世紀フランスの小説家、アレクサンドル・デュマ(大デュマ)による復讐劇です。

主人公、エドモン・ダンテス(凰稀かなめ/礼真琴)は将来有望な航海士だったものの、身に覚えのない罪を着せられ終身刑の囚人として投獄され、全てを失います。

(ちなみに、このページの冒頭に入っている写真が、エドモン・ダンテスが投獄された舞台とされているマルセイユ沖のシャトー・ディフ(イフ城)です)

20年後、ようやく脱獄に成功すると、かつての婚約者メルセデス(実咲凛音/舞空瞳)は、エドモンを嵌めた仇であるフェルナン(朝夏まなと)の妻となっていました。

エドモンは「モンテ・クリスト伯爵」と名乗り、密輸船の頭ルイジ・ヴァンパ(七海ひろき)や乗員ベルツッチオ(緒月遠麻)らの協力を得ながら、自分を嵌めた三悪人のフェルナン、ダングラール(悠未ひろ)、ヴィルフォール(蓮水ゆうや)への復讐をはじめます。

やがてエドモンの復讐は、三悪人の妻や子ども達をも巻き込んだ愛憎劇へと展開していきます。

宝塚版では、「現代のアメリカで『モンテ・クリスト伯』の劇を稽古中の演劇部員(蒼羽りく、風馬翔、桜木みなと、怜美うらら)と顧問の先生(美風舞良)が、エドモン・ダンテスの物語を追っていく」という、他の石田昌也作品でも見たことのある「現代と過去の二重構造」でストーリーが進んでいきます。

メインキャストの主人公とヒロイン、三悪人は若者時代と20年後を演じることになるので、その変化も見どころです。

宝塚版「モンテ・クリスト伯」の登場人物・キャスト

カッコ内は宙組初演での新人公演の配役です。

エドモン・ダンテス(モンテクリスト伯)

2013年宙組 凰稀かなめ(愛月ひかる)

2022年星組 礼真琴

ファラオン号の一等航海士。人を疑わない真っ直ぐな若者。モレル海運社長の娘メルセデスと婚約し、新たな船長にも選ばれて順風満帆な人生だったが、結婚式当日に三悪人に嵌められて投獄される。

長い獄中生活で様々な知識を習得し、脱獄に成功した後は大金持ちの「モンテ・クリスト伯爵」を名乗り、三悪人たちへの容赦ない復讐を開始する。

メルセデス

2013年宙組 実咲凛音(花乃まりあ)

2022年星組 舞空瞳

エドモンの婚約者で、モレル海運社長令嬢だったが、エドモンの投獄後に父の会社も傾き路頭に迷う。その後、エドモンの仇であるフェルナンと結婚して息子がいるが、20年後の夫婦仲は良好ではない。

モンテクリスト伯の復讐対象となる三悪人

この作品で個人的に面白いなと感じたのが、エドモン・ダンテスを嵌めて復讐対象となる3人の敵役が、全員ある意味小者なんですよね。主役と対峙するような大悪党、という感じではなく、グレていたりズルかったり小心だったりという未熟な人間たちで、結託している割に仲は悪く、お互いに弱みを握って脅しあっているような関係性です。

そして20年後には一見成功者になっているようで、実は三悪人それぞれ家族内に問題を抱えていて、というような描かれ方になっています。

フェルナン

2013年宙組 朝夏まなと(蒼羽りく)

貴族の放蕩息子。腐った性根を叩きなおすため、父からファラオン号に預けられるが改心せず、悪行をはたらく。気に入っていたメルセデスがエドモンと婚約したことで、貴族のメンツを潰されたと感じ、エドモンを憎悪している。

20年後には軍隊の中で将軍にまで出世し、貴族院議長となっているが、エドモンから奪って妻にしたメルセデスを大切にはせず、多くの愛人と遊び歩いている。

ダングラール

2013年宙組 悠未ひろ(美月悠)

モレル海運の会計士。自分よりもエドモンが船長に出世したことに嫉妬し、フェルナンと共謀してエドモンを罠に嵌める。

20年後は銀行の頭取にまで昇り詰めているが、母親からの圧力と嫁姑問題を抱えている。

ヴィルフォール

2013年宙組 蓮水ゆうや(桜木みなと)

本来は生真面目な検事だったが、保身のためエドモンに罪を着せる。20年後は検事総長に出世しているが、後妻エロイーズの企みには気づいていない。

モンテクリスト伯の協力者たち

ベルツッチオ

2013年宙組 緒月遠麻(風馬翔)

密輸船ジュヌ・アメリー号の乗員だったが、エドモン(モンテ・クリスト伯)を命の恩人と思い、家令として仕えるようになる。復讐の片棒を担ぐ一方で、復讐に憑りつかれたエドモンを心配し救いたいと思っている。

宝塚版では、このベルツッチオの描かれ方に大きな特徴がありました。モンテクリスト伯の手下というだけに留まらず、復讐の先に何があるのか、というこの物語のテーマを投げかける存在で、三悪人と同じ位大きな役になっています。

ルイジ・ヴァンパ

2013年宙組 七海ひろき(和希そら)

密輸船ジュヌ・アメリー号の頭。脱獄して漂流していたエドモンを助け、その後の復讐にも協力する。豪快で陽気な良きボス。

ルイジ・ヴァンパの子分たち

ムハンマド:凛城きら(実羚淳)

ハッサン:松風輝(朝央れん)

アリ:星吹彩翔(貴姿りょう)

それぞれ三悪人の元に潜入し、モンテクリスト伯の復讐のために動いている。

ルイジ・ヴァンパの一味はコメディパート担当という感じで、宙組での初演時には色々アドリブなども行われていた記憶です。

エデ姫

2013年宙組 すみれ乃麗(伶美うらら)

ギリシャの王女だったが、軍人時代のフェルナンにより親を殺害され、自身も奴隷として売られる。モンテクリスト伯によって救出され、フェルナンへの復讐に協力する。モンテクリスト伯に思いを寄せている。

三悪人の家族

アルベール

2013年宙組 愛月ひかる(春瀬央季)

フェルナンとメルセデスの息子。士官学校に通っている素直で一本気な青年。

オービーヌ

2013年宙組 鈴奈沙也(実咲凜音)

ダングラールの母親。息子に跡継ぎができないことで息子の嫁・エルミーヌにキツく当たっている。

エルミーヌ

2013年宙組 愛花ちさき(愛白もあ)

ダングラールの若い妻。姑にキツく当たられても健気に耐え忍んでいるようだが…。

エロイーズ

2013年宙組 純矢ちとせ(瀬音リサ)

ヴィルフォールの後妻。色気たっぷりの悪女で、何度も結婚を繰り返している。ダングラールとも繋がりがある。

ノワルティエ

2013年宙組 天風いぶき(留美絢)

ヴィルフォールの父。息子が新政権で働いているにもかかわらず、ナポレオン(既に失脚しエルバ島に流されている)を支持する反政府的な言動を繰り返し、ヴィルフォールを困惑させている。

ヴァランティーヌ

2013年宙組 瀬音リサ(花咲あいり)

ヴィルフォールと先妻の心優しい娘。

その他モンテクリスト伯の関係者など

ファリア司祭

2013年宙組 寿つかさ(星吹彩翔)

イタリアの神父・大学者。獄中でダンテスに語学や様々な知識を教える。

モレル社長

2013年宙組 寿つかさ(星吹彩翔)※ファリア司祭と二役

エドモンやダングラールが属するモレル海運の社長で、メルセデスの父。

マドレーヌ

2013年宙組 大海亜呼(夢涼りあん)

メルセデスの乳母で、20年後もメルセデスに仕えている。

フランツ

2013年宙組 美月悠(秋音光)

アルベールの士官学校の友人で、ヴァランティーヌの婚約者。

ボーシャン

2013年宙組 澄輝さやと(星月梨旺)

新聞記者で三悪人の悪行疑惑について調べている。アルベールの友人でもある。

イザベル

2013年宙組 愛白もあ(桜音れい)

ボーシャンの同僚の新聞記者。

カルコント

2013年宙組 花音舞(彩花まり)

フェルナンとダングラールが溜まり場にしている酒場の女主人。

現代アメリカの登場人物

ハイスクールで「モンテ・クリスト伯」を上演予定の演劇部員たちが、エドモン・ダンテスの物語を追いかけていくわけですが、彼らも時に物語の中に入り込み、「ナポレオン役」(桜木みなと)としてエドモンと会話をしたり、説明でしか登場しない「フェルナンの父」「先代の船長」などを代わりに演じるという構造になっています。

ミス・メアリー

2013年宙組 美風舞良(結乃かなり)

ハイスクールの演劇部顧問

ハイスクールの演劇部員たち

ケント 蒼羽りく(七生眞希)

ジェニファー 伶美うらら(瀬戸花まり)

フレディ 風馬翔(夢月せら)

ディック 桜木みなと(留依蒔世)

ハイスクールの演劇部員

 

改めて見返してみると、初演の宙組公演の配役・人物相関図に載っている以外にもたくさんの役がありました。

エドモンとメルセデスのデュエット曲「手をのばせば」や、エドモンと仲間たち、ルイジ・ヴァンパと仲間たちが歌う「地中海は俺達の庭」など楽曲も良い感じです。

ミュージック・クリップ「手をのばせば」〜宙組『モンテ・クリスト伯』より〜【動画配信】

個性豊かな宝塚版「モンテ・クリスト伯」の登場人物を、2022年星組版では誰がどう演じるのか、今からキャスト発表が楽しみです。

星組全国ツアー公演『モンテ・クリスト伯』『Gran Cantante!!』公演情報・期別出演者

ミュージカル・プレイ『モンテ・クリスト伯』
原作/アレクサンドル=デュマ・ペール
脚本・演出/石田 昌也

レビュー・エスパーニャ
『Gran Cantante(グラン カンタンテ)!!』
作・演出/藤井 大介

公演期間:
2022年9月1日(木)~9月21日(水)@大阪府、北海道、千葉県、埼玉県、石川県、富山県、神奈川県(公演順)

出演者:
美稀千種(79期)
白妙なつ(90期)
大輝真琴(91期)
輝咲玲央(92期)
礼真琴、紫りら、瀬央ゆりあ(95期)
音咲いつき(96期)
綺城ひか理(97期)
暁千星、有沙瞳、天華えま、夕渚りょう、天希ほまれ(98期)
遥斗勇帆、蒼舞咲歩(99期)
二條華、希沙薫(100期)
夕陽真輝、彩園ひな(101期)
舞空瞳、紅咲梨乃、都優奈、鳳真斗愛(102期)
紘希柚葉、侑蘭粋(103期)
綾音美蘭、御剣海(104期)
詩ちづる、鳳花るりな、稀惺かずと、星影なな(105期)
乙華菜乃、飛翠真凜、樹澄せいや(106期)