星組公演『1789-バスティーユの恋人たち-』が始まりました。
「1789」はフレンチミュージカルですが楽曲構成の自由度が高いのか、日本で上演される度に新曲が加わったり、曲順や歌うキャラクターが変わったりしています。
2023年星組版でも色々な変更が加えられているので、今回のセットリストと、月組初演版(2015年)や東宝版(2016年、2018年)との違いをまとめてみました。
ページ上でフランス版の音源を視聴できるようにしてあるので、よろしければ予習代わりにもどうぞ!
- 星組『1789』第1幕のセットリスト
- Sur Ma Peau 肌に刻み込まれたもの:ロナン(礼真琴)
- Hey Ha デムーランの演説:デムーラン(暁千星)ほか
- Fréres de la revolution 革命の兄弟:ロナン(礼真琴)、デムーラン(暁千星)、ロベスピエール(極美慎)
- Je mise tout 全てを賭けて:アントワネット(有沙瞳)ほか
- Au palais royal パレ・ロワイヤル:ロナン(礼真琴)、ダントン(天華えま)、デムーラン(暁千星)ほか
- La nuit m’appelle 夜のプリンセス:ソレーヌ(小桜ほのか)
- Maniaque 耐えてみせる:ロナン(礼真琴)、ペイロール(輝月ゆうま)
- Tomber dans ses yeux 二度と消せない:ロナン(礼真琴)
- Pour un nouveau monde 三部会:アルトワ(瀬央ゆりあ)、ルイ16世(ひろ香祐)、ネッケル(輝咲玲央)ほか
- Pic et pic et amstramgram 自由と平等:ロナン(礼真琴)、デムーラン(暁千星)、ロベスピエール(極美慎)
- La Guerre Pour Se Plaire この愛の先に:ロナン(礼真琴)、オランプ(舞空瞳)
- La sentence 許されぬ愛:オランプ(舞空瞳)
- Les Mots Que L’On Ne Dit Pas 声なき言葉:ロナン(礼真琴)、デムーラン(暁千星)、ロベスピエール(極美慎)、アントワネット(有沙瞳)ほか
- 星組『1789』第2幕のセットリスト
- À quoi tu danses? 誰の為に踊らされているのか:ロベスピエール(極美慎)
- Je suis un Dieu 私は神だ:アルトワ(瀬央ゆりあ)
- La liberté d’amour 愛し合う自由:ロナン(礼真琴)
- Prenez l’arme 武器を取れ:デムーラン(暁千星)、リュシル(詩ちづる)ほか
- Nous ne sommes 国王陛下の名のもとに:ペイロール(輝月ゆうま)
- Je Mise Tout 革命が始まる:アルトワ(瀬央ゆりあ)、アントワネット(有沙瞳)、ポリニャック(白妙なつ)ほか
- Je vous rend mon àme 神様の裁き:アントワネット(有沙瞳)
- Ça ira mon amour サ・イラ・モナムール:ロナン(礼真琴)、デムーラン(暁千星)、ロベスピエール(極美慎)、ダントン(天華えま)ほか
- Sur Ma Peau 肌に刻みこまれたもの:ロナン(礼真琴)
- Fixe/les droits de l’homme 叫ぶ声:デムーラン(暁千星)、ダントン(天華えま)、ソレーヌ(小桜ほのか)、リュシル(詩ちづる)ほか
- Pour la peine 悲しみの報い:ロナン(礼真琴)、アントワネット(有沙瞳)ほか
- フィナーレ Tomber dans ses yeux 二度と消せない:瀬央ゆりあ
星組『1789』第1幕のセットリスト
月組初演版では冒頭に本編クライマックスのバスティーユ要塞の場面が入っていましたが、星組版では時系列通り、ロナンが故郷のボースで父親と土地を奪われる場面から始まります。
Sur Ma Peau 肌に刻み込まれたもの:ロナン(礼真琴)
ロナンの父親たちを連行しに来たペイロール(輝月ゆうま)に対し、ロナンたちが歌う楽曲。
この曲は第2幕後半でもロナンのソロとして歌われます。
ロナンとソレーヌの「叫ぶ声」はカット
月組初演版ではこの後にロナン~ソレーヌの「Le cri de ma naissance 叫ぶ声」の楽曲がありましたが、星組版ではこれはカットになっていて、「叫ぶ声」は2幕の最後でのみ歌われます。
Hey Ha デムーランの演説:デムーラン(暁千星)ほか
困窮するパリ市民に対し、デムーラン(暁千星)とロベスピエール(極美慎)が革命の思想を訴える楽曲。
Fréres de la revolution 革命の兄弟:ロナン(礼真琴)、デムーラン(暁千星)、ロベスピエール(極美慎)
これは月組初演には無く、東宝版で書き下ろされた楽曲で、今回の星組版でも取り入れられました。
Je mise tout 全てを賭けて:アントワネット(有沙瞳)ほか
フランス王妃マリーアントワネットが退屈しのぎにギャンブルに興じる姿を描く。
Au palais royal パレ・ロワイヤル:ロナン(礼真琴)、ダントン(天華えま)、デムーラン(暁千星)ほか
パレ・ロワイヤルにパリの市民たちが集い、にぎやかに歌い踊る楽曲。
La nuit m’appelle 夜のプリンセス:ソレーヌ(小桜ほのか)
パリで娼婦に身を落としていたロナンの妹ソレーヌの楽曲。
アントワネットとフェルゼンの「許されぬ愛」はカット
この後月組初演版では「La sentence 許されぬ愛」がアントワネットとフェルゼンのデュエット曲として歌われていました。
東宝版と星組版で「許されぬ愛」はオランプのソロ曲になっていて、星組版のアントワネットとフェルゼンの密会場面は歌無しになっています。
東宝版では「許されぬ愛」の代わりに「Le temps s’sen va 夢よ永遠に」というアントワネットとフェルゼンのデュエット曲が入りますが、これは宝塚版では未使用となっています。
Maniaque 耐えてみせる:ロナン(礼真琴)、ペイロール(輝月ゆうま)
バスティーユ監獄に連行されたロナンはペイロールから拷問を受ける。
Tomber dans ses yeux 二度と消せない:ロナン(礼真琴)
ロナンがオランプ(舞空瞳)を想い歌う楽曲。
Pour un nouveau monde 三部会:アルトワ(瀬央ゆりあ)、ルイ16世(ひろ香祐)、ネッケル(輝咲玲央)ほか
三部会が開催されるが平民に不利な仕組みであったため、会議は決裂する。
Pic et pic et amstramgram 自由と平等:ロナン(礼真琴)、デムーラン(暁千星)、ロベスピエール(極美慎)
ロナンとデムーラン・ロベスピエールはお互いの立場の違いから対立してしまう。
La Guerre Pour Se Plaire この愛の先に:ロナン(礼真琴)、オランプ(舞空瞳)
対立する立場ながら惹かれ合ってしまったロナンとオランプの苦悩のデュエット
La sentence 許されぬ愛:オランプ(舞空瞳)
月組初演版ではアントワネットとフェルゼンのデュエットとして歌われていた楽曲ですが、東宝版と星組版ではオランプが自分とロナンの恋愛を「許されぬ愛」だとして歌っています。
Les Mots Que L’On Ne Dit Pas 声なき言葉:ロナン(礼真琴)、デムーラン(暁千星)、ロベスピエール(極美慎)、アントワネット(有沙瞳)ほか
東宝版では「声なき言葉」が未使用で、代わりに同じ場面で「La rue nous appartient 街は我らのもの」という楽曲が使われていて(途中からメロディラインは「自由と平等」と同じ?)、最後にロナンの「革命の兄弟」リプライズが入ります。
星組『1789』第2幕のセットリスト
À quoi tu danses? 誰の為に踊らされているのか:ロベスピエール(極美慎)
ロベスピエールを筆頭に球戯場に立てこもった平民たちが権力と闘う決意を歌う
Je suis un Dieu 私は神だ:アルトワ(瀬央ゆりあ)
国王の弟アルトワはオランプに媚薬を飲ませ我が物にしようとする。
La liberté d’amour 愛し合う自由:ロナン(礼真琴)
ロナンがオランプに愛し合う自由を手に入れようと歌う楽曲。今回の星組版に書き下ろされた新曲になります。
「世界の終わりが来ても」は未使用
月組初演版、東宝版ではここで「Meme si le monde touchait à sa fin 世界の終わりが来ても」でロナンとオランプ、アントワネットとフェルゼンの四重唱がありました。
星組版ではその場面に新曲の「愛し合う自由」が入っていて、アントワネットとフェルゼンは登場しません。
結果として星組版「1789」ではフェルゼン(天飛華音)の歌が全く無くなっているので、それは少し残念だなと思います。
Prenez l’arme 武器を取れ:デムーラン(暁千星)、リュシル(詩ちづる)ほか
デムーランが武器を手に立ち上がろうと市民を鼓舞する。
ここは月組初演版では「Je veux le monde 世界を我が手に」という楽曲でしたが、「武器を取れ」に変更されています。
ただ、改めて月組版を見てみると、違う楽曲なのに歌詞自体はほとんど同じなのが面白いです。
「世界を我が手に」は星組版の本編では歌われていませんが、フィナーレで使われています。
ちなみに東宝版ではソレーヌを中心とする女達の歌として「世界を我が手に」が使われていて、その後にデムーランの「武器を取れ」になります。
Nous ne sommes 国王陛下の名のもとに:ペイロール(輝月ゆうま)
ペイロールが市民たちの弾圧を開始する。
Je Mise Tout 革命が始まる:アルトワ(瀬央ゆりあ)、アントワネット(有沙瞳)、ポリニャック(白妙なつ)ほか
革命を恐れた貴族たちは次々に亡命の準備を始める
邦題は「革命が始まる」ですが、音楽としては1幕の「全てを賭けて」と同じものになります。
Je vous rend mon àme 神様の裁き:アントワネット(有沙瞳)
アントワネットはフランスに残り神の裁きを受け入れる覚悟を歌う。
Ça ira mon amour サ・イラ・モナムール:ロナン(礼真琴)、デムーラン(暁千星)、ロベスピエール(極美慎)、ダントン(天華えま)ほか
革命に向かう男たちとその恋人たちの楽曲。
Sur Ma Peau 肌に刻みこまれたもの:ロナン(礼真琴)
ロナンたちはバスティーユ要塞を攻撃する。
Fixe/les droits de l’homme 叫ぶ声:デムーラン(暁千星)、ダントン(天華えま)、ソレーヌ(小桜ほのか)、リュシル(詩ちづる)ほか
Pour la peine 悲しみの報い:ロナン(礼真琴)、アントワネット(有沙瞳)ほか
公演プログラムを見る限り、この歌い継ぎは月組初演と基本的に同じようです。
フィナーレ Tomber dans ses yeux 二度と消せない:瀬央ゆりあ
月組版ではフィナーレの幕開きとして「世界の終わりが来ても」(美弥るりか)が使われていましたが、星組版では「二度と消せない」が歌われています。
その後のロケットは星組では「全てを賭けて~パレ・ロワイヤル」が使われていたと思います。
月組初演版(101期生初舞台ロケット)では「パレ・ロワイヤル~サ・イラ・モナムール」がメインで使われていました。
改めてセットリストを見比べてみると、月組初演版、東宝版、星組再演版と楽曲の使われ方が細かく違っていて面白かったです。
「1789」はエネルギーのある楽曲が盛りだくさんで、星組版では使われていない曲もあるので、気の早い話ですがまたどこかで再演があれば、その時にはまた違ったセットリストになりそうですね。